強迫性障害の症状チェック|あなたはどのタイプに該当する?

強迫性障害のタイプ別、症状チェック

強迫性障害(OCD)は、単なる「こだわり」や「不安」とは異なり、日常生活に深刻な影響を与える精神疾患です。
「なぜこんなに不安になるのか」「こんな考えが頭から離れない」と感じているなら、それは強迫性障害のサインかもしれません。

本記事では、強迫性障害の代表的な症状タイプを紹介し、自分の状態を確認できるチェックリストも用意しました。
自分の傾向を知ることが、適切な対処やサポートにつながります。まずは気軽にチェックしてみてください。

目次

強迫性障害の症状別チェックリスト

強迫性障害の症状別チェックリスト

以下のような行動や思考に心当たりはありませんか?

①汚染(不潔)恐怖・洗浄強迫

  • ドアノブや電車のつり革など、他人が触れたものを極端に避けてしまう
  • 手を洗った後でもまだ汚れている気がして、何度も石けんで洗う
  • はっきりとした汚れがないのに、「不潔な感じ」が消えず強い不安になる
  • 外出から帰ると、すぐにシャワーを浴びずにはいられない
  • 衣服やバッグなどが「汚染された」と感じ、頻繁に洗濯や拭き取りをしてしまう
  • 嫌いな人や不快な人物が触った物を、汚れているように感じる
  • 買ってきた商品の外装が汚れている気がして、洗ったり拭いたりしてしまう

確認強迫

  • 玄関の鍵やガスの元栓を何度も確認しないと安心できない
  • 重要な書類やメールを何度も読み返してしまう
  • 買い物のとき、商品に少しでも傷や汚れがないか何度もチェックしてしまう
  • 自分の発言や行動を後から何度も思い出して、失礼がなかったか気になってしまう
  • SNSの投稿を何度も見直して、削除や修正を繰り返してしまう
  • 電気や家電のスイッチを切ったかどうか何度も確かめてしまう
  • 忘れ物がないか心配で、かばんの中を何度も確認してしまう

加害恐怖・責任強迫

  • 他人に危害を加えてしまうのではないかと、強い恐怖を感じる
  • 車を運転したあと、「人をひいたかもしれない」と心配になり、同じ道を何度も戻って確認する
  • 自分のうっかりミスが誰かの事故やトラブルにつながるのではと不安になる
  • 包丁やカッターなどの鋭利なものを見て、自分が人を傷つけてしまうのではと怖くなる
  • 話しているときに「攻撃的な言葉を発してしまうのでは」と不安で、人と話すことを避けてしまう
  • 他人に起きた不幸が自分のせいのように感じ、強い罪悪感を抱いてしまう
  • 自分が何か悪いことをした気がして、一日中そのことばかり考えてしまう

対称性・秩序強迫

  • 物の配置や向きが揃っていないと気持ち悪く感じる
  • すべてが左右対称でないと落ち着かない
  • 本やノートをきれいに並べ直さないと集中できない
  • 物が少し乱れているだけで強い不安を感じ、整えるまで気が済まない
  • 服や靴の並びが揃っていないとイライラしてしまう
  • 家具の配置が少しでもズレていると、すぐに直さずにはいられない
  • 書類や文房具の位置を決まった順番や角度で揃えておかないと安心できない

数へのこだわり

  • 数字を強く意識してしまい、縁起が悪いと感じる数を無意識に避けてしまう
  • 縁起が良いと感じる回数になるまで、行動を繰り返してしまう
  • 時計の「11:11」や「ゾロ目」など、特定の時間や数に異常にこだわってしまう
  • 「この回数でやらないと、何か悪いことが起こる」と感じてしまう
  • 一定の手順や回数を守らないと不安になる
  • 「偶数じゃないと落ち着かない」「3回やらないとダメ」など、特定の数での動作を繰り返してしまう
  • 特定の数字や文字を“不吉”と感じて避けるように行動してしまう

侵入思考・反復思考

  • 不快なイメージや言葉が突然頭に浮かび、それが何度も繰り返される
  • 「どうしてもこの考えが頭から離れない」と強い苦しさを感じる
  • 縁起が悪い数字や言葉に敏感になり、過剰に気にしてしまう
  • 他人の何気ない言動が引っかかり、頭の中で繰り返し思い出してしまう
  • 言葉やフレーズが無意識に頭の中でリピートされる感じが続く
  • ふと悪いことを考えた後に、「打ち消す」行動を取らないと落ち着かない
  • 不適切な言葉や侮辱的な考えが浮かび、自分でも戸惑い、苦しくなる

チェックリストの結果と対処法

いくつか当てはまる項目があった方は、強迫性障害の傾向がある可能性があります。特に3つ以上該当する場合、日常生活に影響を及ぼしているようであれば、一度立ち止まって自分の状態を見つめ直すことが大切です。

もし次のような状態が続いているなら、精神科や心療内科など専門家への相談を検討してみましょう。

CHECK
  • 不安やこだわりのために、生活に支障が出ている
  • 自分ではやめたくてもやめられない行動がある
  • 気持ちが常に緊張していて、疲れやすい

症状が比較的軽く、まだ受診には踏み切れないという場合は、認知行動療法(CBT)をベースにしたセルフヘルプ本を使って、自分で対処してみるのもひとつの方法です。最近では、初心者向けにわかりやすく構成された本も多く出版されています。

焦らず、一歩ずつできることから始めてみてください。

まとめ

強迫性障害の症状は、人それぞれ異なり、その影響も個々の生活にさまざまな形で現れます。大切なのは、自分の症状がどのタイプに当てはまるかを理解し、それに合った対処法を見つけることです。

もし症状が日常生活に支障をきたすようであれば、専門家に相談することが、改善への第一歩です。相談することで、症状の原因や最適な治療法が見えてきます。

そして、焦らずに自分のペースで取り組むことが何より大切です。小さな一歩を踏み出し、積み重ねていくことで、症状に振り回されることなく、自分らしい生活を取り戻すことができます。

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この記事を書いた人

✔関西の国立大学医学部で長年、臨床研究業務に携わる
✔強迫性障害と向き合う当事者として、実体験から得た知識や対処法を発信
✔一度しかない貴重な人生の時間を、強迫性障害に縛られ奪われてほしくない――そんな思いでこのブログを運営。

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